
晴天の下、東山魁夷館の建物脇に植わっている松の木を背景に、成人式の記念撮影が行なわれていました。
確かに、立派な枝ぶりの松が青空に映えて、おめでたい写真にはぴったり!
松があることはもちろん知っていましたが、記念写真の背景になるほど見事だとは、気づかなかったので、館員としても、新たな発見でした。

「吉村作治の新発見!エジプト展-国立カイロ博物館所蔵品と-」の来場者が、4月30日(金)、2万人を超えました。記念すべき2万人目のお客様は、長野市篠ノ井にお住まいの後藤春美さん。エジプトが好きという、専門学校生の娘さんに誘われて、今回が当館へ初めてのご来館だそう。
担当学芸員の石井絵美から、展覧会の図録と、アヌビス神の像が贈られました。アヌビス神は、ジャッカルの頭を持ち、墓地の守護神、ミイラ作りの神として、崇拝されました。
「トリック・アートにも興味があるので、ぜひまた来ます」と話してくださり、エジプト展をきっかけに美術館のファンになってくださることが、とてもうれしく思える出会いでした。

「吉村作治の新発見!エジプト展-国立カイロ博物館所蔵品と-」の来場者が、本日、1万人を超えました。記念すべき1万人目のお客様は、長野市若穂にお住まいの花岡古都乃(ことの)さん(9歳)。エジプトが大好きな小学4年生で、学校の振替休日を利用して、お母様と2人で来館されたそう。横山勝彦副館長から、展覧会の図録と、額入りのパピルスが、記念品として贈呈されました。時間をかけて熱心に展覧会を鑑賞した古都乃さん。「何千年も前のエジプトのものなのに、色がキレイですごいと思いました」と感想を話してくれました。


今年度第1回目の対話型ギャラリートーク「おしゃべりさんぽ」が、17日土曜日午後1時半から、東山魁夷館展示室で開催されました。
季節はずれの雪が積もったあいにくの天気でしたが、おかげさまでたくさんの方にご参加いただくことができました。
当館学芸員のナビゲートで、東山魁夷の作品を前に、思ったこと、感じたことを、みんなで自由におしゃべりしてもらおうというこの催し。同じ1枚の絵を観ても、感じることは人によって本当に様々で、他の参加者の言葉に「へぇ、なるほどねぇ」とうなずく姿も見られました。
ひとりでは発見できない美しさ、面白さを語り合いながら、要所要所で学芸員がさりげなく言葉を加えつつ会場をまわる「おしゃべりさんぽ」は、明日18日の日曜日にも行われます。是非お気軽にご参加ください。


※「おしゃべりさんぽ」は、来月以降も開催予定。日程が確定次第ホームページでお知らせします。
「吉村作治の新発見!エジプト展-国立カイロ博物館所蔵品と-」が、本日4月10日に開幕。開会のセレモニー終了後、善光寺事務局3階の講堂で、吉村先生のトークショーが行われました。
このトークショーは、事前の申込みが必要でしたが、会場はほぼ満席。吉村先生の人気ぶり、またエジプト文化に対する関心の高さが伺えました。
小さな頃はエジプト考古学者になりたかったという、SBC船戸アナウンサーの司会進行で行われたこのトークショー。吉村先生の45年にわたる発掘経験や、当時最先端だったエジプトの医療、エジプト人の死生観など、盛りだくさんの内容で、随所に笑いがちりばめられた極上の1時間でした。
5月8日・9日のトークショーの申込みは、まだ受け付けております(4月24日必着)ので、参加ご希望の方は、おはがきでSBCまでお申込みください。
本日9時、「吉村作治の新発見!エジプト展-国立カイロ博物館所蔵品と-」のオープニングセレモニーが、関係者約80名が参加して行われました。
松本猛館長は、「古代エジプトで描かれた人物は、顔は横向、眼は正面、肩は正面、体は横向きと、いろいろな向きから見たパーツが組み合わされている。20世紀のピカソに通じることを、何千年も前のエジプトで既にやっていたというのはすごい! 現代は、科学技術の発達はめざましいが、想像力の豊かさは古代エジプトに遠く及ばない。想像することのすばらしさを、たくさんの子どもたちに知ってもらえれば。」と話しました。
監修の吉村作治先生は、「父が松代生まれで、長野には子どもの頃からなじみの地。日本で最後の会場として、長野で開催できることに、とても感激している。今回の展覧会では、2007年1月と10月に発見した未盗掘・未開封の完全ミイラの木の棺を3点展示すると共に、国立カイロ博物館の所蔵品を約70点紹介している。これまで海外に出たことのない作品、お墓に関係する作品、という2つの観点から、私がひとつひとつ選んだ。ミイラを製作した台は、生々しいかも知れないが、命を粗末にする事件が多い現代の日本で、私たちは、“死”ときちんと向き合うことが必要。エジプトには、肉体は滅びても魂は永遠、という死生観がある。魂は永遠なのだから、生きているときにはピシッとしなくてはならないんだよ、ということを伝えることができれば。」と思いを語りました。
「吉村作治の新発見!エジプト展」は5月31日(日)まで開催。※休館日=4月28日(水)
左・中=テープカットの様子/右=《ミイラ製作台》の前で語る吉村作治先生



開梱作業が進む「吉村作治の新発見!エジプト展」について、吉村作治先生とエジプト発掘調査隊のメンバー・馬場匡浩さんに、伺いました。
中王国時代、ミイラは頭を北に、顔を、太陽が昇る東に向けて棺のなかに安置され、棺に描かれた「ウジャトの眼」を通して、棺のなかから外の世界を見ているのだそうです。
棺は、オシリス神となったミイラが住む家として、王宮の壁の装飾や、かんぬきのある扉が描かれています。
約400年後のチャイの場合は、ミイラは上を向いた形で安置されていました。人型の棺の側面には、「チャイに神々のご加護がありますように」という祈りを込めて、チャイの名前と共に、アヌビス神やハピ神など数多くの神々の絵や名前がかかれています。
そして、それぞれの名前のヒエログリフを教えていただきました。
左から、チャイ、セベクハト、セネトイトエス。
「チャイ」は、上から、“口を開けて羽を広げた鳥”が「ch」、“ハゲワシ”が「a」、“葦の穂が2つ横にならんでいる”のが「y」、さらに、上に書かれた文字が人名であることを表す記号がついています。
「セベクハト」は、杖のように見える“折りたたんだ布”(上右)が「S」、“膝から下の足”(上左)が「b」、“取っ手のついたかご”が「k」、“ライオンの顔と前脚”が「ha」、半月のような“ロールパン”が「t」です。
「セネトイトエス」は、“弓矢”の絵文字(上右)が「sn」、波線のように見える“水”が「n」(上左)、半月のような“ロールパン”が「t」、“葦の穂”(下右)が「i」、“角の生えた毒蛇”が「f(読まない文字)」、杖のように見える“折りたたんだ布”が「S」です。
ヒエログリフは、読む方向によって、絵文字の左右の向きも変わるそうです。
棺にはそれぞれの名前がいくつも書かれていますので、ぜひ見つけに来てください。



いよいよ4月10日(土)から始まる「吉村作治の新発見!エジプト展」の展示品の開梱作業が、エジプトの修復家ワッファー氏と査察官ナギ氏をはじめ、関係者の立ち会いのもと、始まりました。
初めに、子どもの箱型棺(レプリカ展示)と共に発見された父親「チャイの人型棺」が、4人の作業員の手で、輸送用の木箱から展示ケースに慎重に移されました。(写真)
続いて、夫婦でミイラが発見された夫・セベクハトの箱型棺、妻・セネトイトエスの箱型棺の順に、今度は6人がかりで展示ケースに、運び込まれました。
3,800年前のものとは思えない、鮮やかな色彩が残る美しい棺に、眼を奪われ、身震いしました。


