【重要なお知らせ】東山魁夷館は2017年5月31日(水)から、長野県信濃美術館は10月1日(日)から改修・改築工事のため休館しております。 詳細はこちら
この春に、橋本光明・前館長のあとを受けて長野県信濃美術館長に就任いたしました松本透と申します。新しい美術館の開館(2021年春オープン予定)に向けて、力を尽くして参りますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
東山魁夷館は昨年5月、本館は本年3月の千田泰広さん、若手作家三人組「three」(川崎弘紀・佐々木周平・小出喜太郎さん)による公開制作と発表をもって休館に入りました。両館の再オープンの日程はまだ確定しておりませんが、本館については新しい建物の全体像がようやくまとまり、来春着工を目指して実施設計を行っているところです。
長野県は、日本画の菱田春草や近代彫刻の草分けのひとり碌山荻原守衛をはじめとして、幾多の傑出した近代作家を輩出してきましたが、ここで強調しておきたいのは、春草であれ、碌山であれ、彼らが生きていた時代にあっては、彼らもまた「現代作家」であったということです。優れた芸術は、作家の力だけで生まれるのではありません。それを見守る人、理解する人の声や支援があって初めて生まれます。まだ美術館がなかった時代に、優れた芸術家を世に押し出したのはおもにパトロン(庇護者)や蒐集家といった個人でしたが、現代において中心的役割を果たすのはやはり美術館でしょう。長野県信濃美術館は、わたしたちの美術の歴史を現在の視点から見直しながら作品収集や展覧会開催に努めるとともに、わたしたちが生きる時代の記念となる未来の芸術を世に送り出すべく、作家と県民の皆さまがさまざまな形で交感し、共に学び合う場を作っていきたいと思います。そのためにこれから3年間、展覧会計画はもとより、長野県という場所、現代という時代にふさわしい学習プログラムや交流プログラムの充実を図って参りますので、皆さまには、どうぞご支援、ご声援を宜しくお願い申し上げます。
平成30年4月記