【重要なお知らせ】長野県信濃美術館本館は2017年10月1日から改築工事のため休館しております。 詳細はこちら
長野県信濃美術館の東山魁夷館は2017年5月より改修工事のために、またその本館は昭和41(1966)年に開館した建物を取り壊して新しい建物を建設するために、2018年3月より休館しております。
はじめに今年度の予定について申しますと、本館の方は、いよいよこの4月より新築工事が始まり、善光寺御開帳と時を合わせて、2021年春に開館いたします。また東山魁夷館は、エレベーターの増設をはじめとする館内動線の改善や展示環境(照明システム等)の整備などを経て、本年10月5日にリニューアル・オープンいたします。すぐ隣りで本館工事が進むなかでの再開館となりますが、昭和の日本画を代表する東山魁夷屈指のコレクションをどうぞお楽しみください。
美術館が休館しているあいだ、美術館員は何をしているのだろう?――という疑問をお持ちになる方もいるでしょう。従来から行ってきた県内各地での「移動展」、県内美術館との共同企画による所蔵作品の「交流展」、コレクションの貸出や新規収蔵のための調査研究、館外のさまざまな施設で行われる学習プログラムなど、じつは休館中も大忙しなのですが、とはいえこれから2年間の大仕事は、やはり大きく、新しくなる本館での事業編成やその準備です。
新しい本館は床面積が約10,000㎡あり、これまでなかった施設としてコレクション展示専用のギャラリー、アート・ライブラリー、県民ギャラリー、カフェ・レストランその他を備えます。所蔵する美術作品や書籍はインターネットで公開する計画です。企画展やコレクション展の仕込みもさることながら、わたしたちは新しい美術館を、芸術作品を見て感じる場に尽きるとは考えておりません。見て感じたものをお互いに伝えあい、話しあう場――つまり一人ひとりの見方、感じ方、考え方の違いと共通性をつうじて、そこに集まった人たちがおのおのの感性と知性を高めあう場にしたいと考えています。そうした目的のためには、狭い意味での学芸員の仕事と合わせて、学びあう場、交流する場の設営にたえず心を配っている専門職員の力が必要でしょう。そのため昨年度来、職員編成の整備にもつとめてまいりました。開館に向けた準備はまだまだ途上ですが、鑑賞-学習-交流のはたらきが一体となった新時代の県立美術館の開館をめざして、職員一同力を尽くしてまいりますので、皆様には変わらぬご支援、ご声援を宜しくお願い申し上げます。
平成31年4月記